1. 「箸より重いものが持てない」実写版のような日々
カテーテル手術、そして術後半年経過した際に行ったカテーテル治療は無事に成功。
しかし、私の本当の戦いはそこからでした。 カテーテルを通した右腕に、ギュッと締め付けられるような違和感が残ったのです。力が入らず、まさに「箸より重いものが持てない」状態が続く日々。 右腕をかばえば右肩が五十肩になり、左腕だけで生活すれば今度は左手首が腱鞘炎、そして左肩も五十肩に……。体の中で痛みが次々と飛び火していく「負の連鎖」の渦中にいました。
2. 医師の「困った顔」が、私の口を塞いだ
勇気を出して、主治医に右腕の締め付け感を伝えました。 しかし、返ってきたのは「普通はそんなことないんだけどな……」という言葉と、困惑した先生の表情。
その瞬間、私は言葉を飲み込みました。
「先生は命を救ってくれた。これ以上、医学的に説明のつかない些細な不調を訴えるのは、わがままなのではないか」 感謝しているからこそ言えない――。
医療現場に潜む「沈黙」が生まれた瞬間でした。
3. 言葉のプロが伝えたい、医療の「その後」
医療技術においてカテーテルは体に優しい治療です。
しかし、患者の生活は「点」ではなく「線」で続いています。 術後の緊張や、無意識の「かばい動作」が全身に波及すること。
それを医療者に伝えられず、一人で不調を抱え込んでいる患者さんが、私の他にもきっといるはずです。
4. 結び:技術の成功を、生活の成功へ繋ぐために
五十肩・腱鞘炎といまだに向き合う中で、私は確信しています。
医療の本当のゴールは、数値の改善だけでなく「患者が元の生活を笑顔で送れること」。
先生に「困った顔」をさせたくないという優しさで、患者が自分を犠牲にしないために。
私は、患者と医療者の間にあるこの「言葉の溝」を埋める活動を続けていきます。

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